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永遠片思い

Category: 短編集  



きっとこの思いは永遠に叶わない。

伝えることも、

伝わることもなく、

過ぎ行く時の中に埋もれてしまうことだろう。

それでも彼を求めるのは、

彼を愛おしいと思うのは、

罪ですか?

 

 

昼には彼の夢が叶うことを願い、

夜には彼と同じ夢を見ることを祈る。

永遠片思いの私には、彼の存在は遠すぎる。
 


溢れる思いは歌声に乗せて解き放ち、

叶わぬ悲しみは涙に変えて消し去ろう。
永遠片思いの私には、彼の存在は大きすぎる。

 

 

それでもあなたのことを信じさせてください。
もしもあなたが心の痛みを知っているのなら、そっと包んでください。

私はとっても弱いから。
 


強くなろうとは思いません。
ただ、あなたの笑顔が曇るようなことがないことを祈りたい。

 

 

伝わらないと知っていて恋をした。

叶わないと分かっているくせに恋焦がれた。
愚かと人は言うかもしれないけれど、これが私の愛の形。

 

 

この月をあなたもどこかで眺めているのでしょうか?
あなたは今、何を思っているの?
あなたを照らす月の光に想いを託す。

 

消えない痛みは小さな傷となり、刺となる。
年月が経てば経つほどそれは深くなり、鋭くなる。


 

切ないくらいに残酷に美しく儚い歌声は、
時と空間を越え、遥か彼方へと魂を連れ去る。
悲しみを押し殺した狂おしい程の微笑は、
時と存在を止め、永遠の彫像へと変わりゆく。

彼の心はいったい誰を見ているの?

 

想えば想う程2人の距離は離れていく。
恋い焦がれた私がいけないのだろうか?
貴方を想う心が勇気をくれるのに。


 

普遍的なものを求めてはいけないのだろうか?
目まぐるしく動く世界は残酷に私を突き放す。
終わりなく繰り返す歌は誰のもの?


 

破いたノートの切れ端に、思いついた言葉を並べた。
退屈な時間を迎える度に、世界の憂鬱を眺めていた。
流されていく思い出が、音もなく沈んでいく。

 

望んでいるのは、愛を得ること。

恐れているのは、愛を失うこと。


 

人の心を簡単に手に入れようとするな。

人の心を簡単に捨てるな。


 

壊れやすい精神が音を立てて地に落ちていく。


かみひこうき

Category: 短編集  



記憶の中のお前は、笑顔しかもう思い出せない。


初めて会った時も、
初めて手を繋いだ時も、
初めて心の一番深い所に触れた時も、
初めてお前を抱きしめた時も、
お前は華のように笑ってくれていたな。


その笑顔がいつも俺の荒んだ心を癒してくれていたんだ。
たった1つ、守りたいと思える存在だったんだ。
時と共に愛情が育っていくのは自然で、いつの間にか『側にいる』のが当たり前になっていたな。
幸せは、手を伸ばせば届く距離の中に存在していたな。
俺の隣でお前がずっと笑っている。

そんな時間がずっと永遠に続くんだと思っていた。


だから・・・。


だから・・・・・・。


お前がいなくなるのがわかった時、どうしていいかわからなかった。

俺がずっと苦しんでいる間、お前はずっと1人で待っていてくれていたのにな・・・・・・。
耳をずっとふさいでいてゴメンな・・・・・・。
本当は知っていたんだ。


お前がずっと『変わらず側にいて欲しい』と呼んでいたこと。


でも俺はお前を失うことが怖くて動けなかった。
あんなにも守りたいと思っていたお前の笑顔が痛々しく見えるようになって、少しずつ距離が遠ざかっていったな。
その頃には途切れがちの会話と沈黙が、2人の時間を埋めつくしていたのを覚えているか?
それでもお前はずっと笑顔だけを浮かべていたな。
叶わない願いだと分かっていながら、『昔みたいに出かけよう』と明るく振舞っていたな。
最後にお前と手を繋いだのはいつだったけな?
それすらもう記憶から薄れているんだ。


別れの日。
「行くな。」と泣く俺に向かって、お前はいつものように笑顔で囁いたな。


「かみひこうき。」


その時は意味はわからなかったけれど、今やっと意味がわかったよ。
現実から逃げようとした俺を最後まで許してくれたお前の、最初で最後のわがまま。
この手紙を書き終えたら、かみひこうきにして飛ばすから。


お前がいるところまで届くことを祈って。


月に照らされた君

Category: 短編集  




ある月の綺麗な夜のことでした。
カトウはとても美しい歌声を聞きました。
「誰が歌っているんだろう?」
カトウは不思議に思いました。
するとどこからともなく8分音符の形をした雲が表れ、カトウを乗せて飛び始めました。
カトウは歌声のする方へと進みました。

しばらくすると、カトウは友達のカノウを見つけました。
「おーい。」
カトウに気がついたカノウはびっくりしました。
カトウは今までのことをカノウに話してあげました。
「ぼくも一緒に行きたいな。」
すると4分音符の形をした雲がカノウを乗せて飛び始めました。
カトウとカノウは歌声のする方へと進みました。

カトウとカノウはしばらくすると、友達のケンイチを見つけました。
「おーい。」
「おーい。」
カトウとカノウが空を飛んでいるのを見たケンイチはとてもびっくりしました。
カトウとカノウは今までのことをケンイチに話してあげました。
「ぼくも一緒に行けるかな?」
ケンイチが言い終わると同時に16音符の形をした雲が表れ、ケンイチを乗せて飛び始めました。
カトウとカノウとケンイチは歌声のする方へと進みました。

カトウとカノウとケンイチはしばらくすると友達のヨースケを見つけました。
「おーい。」
「おーい。」
「おーい。」
高いところが苦手なヨースケはびっくりしました。
カトウとカノウとケンイチは今までのことをヨースケに話してあげました。
「ぼくは怖いから行かない。」
ヨースケが言い終わる前に8分音符が2つつながった形の雲が表れ、ヨースケを乗せて飛び始めました。
カトウとカノウとケンイチとヨースケは歌声のする方へと進みました。

カトウとカノウとケンイチとヨースケはしばらくすると友達のオックンを見つけました。
「おーい。」
「おーい。」
「おーい。」
「助けてー!!」
空を見るのが大好きなオックンは皆をとってもうらやましく思いました。
カトウとカノウとケンイチとヨースケは今までのことをオックンに話してあげました。
「ぼくも行けるといいな。」オックンが言い終わる前にヨースケを乗せた雲がオックンをもう一方の方に乗せて飛び始めました。
カトウとカノウとケンイチとヨースケとオックンは歌声のする方へと進みました。

カトウとカノウとケンイチとヨースケとオックンはピンクのフワフワした雲よりも高い所へと進みました。
歌声はこのピンクの雲の向こうから聞こえていました。
雲の向こうには月がありました。
月には誰かが座っていました。
カトウとカノウとケンイチとヨースケとオックンはその人が歌声の主だとわかりました。
「君達は誰?どうしてここにいるの?」
月に座ってた人が5人に気がついて尋ねてきました。
「ぼくはカトウ。」
「ぼくはカノウ。」
「ぼくはケンイチ。」
「ぼくはヨースケ。」
「ぼくはオックン。」
5人は1人づつ名前で答え、今までのことを話してあげました。

「君は誰?どうしてここにいるの?」
今度は5人が尋ねました。
「ぼくはレオ。友達を探しているんだ。」
レオは悲しそうな顔で答えました。
5人はどうすればいいかすぐにわかりました。
「ぼくと友達になってくれる?」
「もちろん!!」
レオはとっても嬉しくなりました。
カトウとカノウとケンイチとヨースケとオックンも嬉しくなりました。
それから6人はいつも一緒でした。
遊ぶ時も
歌う時も
辛い時も
楽しい時も
いつもいつも一緒でした。


呼ぶ声

Category: 短編集  




何だか頭が重い。
何か大事なことを僕は忘れている気がする。
でも……、それがなんだか分からないんだ。

真っ白な世界の中を僕は漂っていた。

「何故こんなところにいる?」
ふとした声に辺りを見て、僕は息を飲んだ。

美しい金色の瞳が僕を映していた。
黒髪が白いドレスの上に広がり、その後ろから光る翼が見えた。

それは、じっと僕の目を見つめて言った。
「お前……。大事なものを無くしたね。」

その言葉が妙に心に引っ掛かった。
一瞬僕の脳裏を何かが横切った。
「お前、自分が何者か覚えているか?」
その問いに、僕はようやく不安の元が分かった。


名前が思い出せないんだ。


僕の目の前で、それは悲しげな表情をした。
「自分が何者か思い出せなければ永久にここを彷徨うぞ。」
その瞬間、僕の脳裏に一つの場面がよぎった。

『…に命を預ける。』
『…と組む。』
『…と音楽する。』
誰かが僕に向かって誓ってた。
1人じゃなくて3・4人くらいいた。
「どうやらお前には命を預けた仲間がいるみたいだね。」
目の前の彼女は、期待に満ちた目で僕を見つめた。
どうして今のことが分かったんだろう?

「私の目は時を超えて過去も未来も見れるのさ。」
彼女は僕の心を読んでいるように話した。
「お前にはまだ仲間がいるね。」
また脳裏を何かが横切った。
『…には仲間になって欲しい。』
『…なら認めるぜ。』
『さっすが…。』

さっきとは違う声がした。

ふと、唇から自然と旋律が零れ落ちた。

♪~~~~~~~~~~~♪
旋律と一緒に記憶の欠片が繋がり始める。
ああそうだ…。
僕は…。


俺は……。


「あっ。起きた。」
聞き慣れた声に意識が覚醒する。
「びっくりしたよ。急に倒れたから。」
視界に安心した表情の皆の顔が入る。
「もう、大丈夫だから。」
俺は起き上がって、皆の顔を確かめるように見つめた。

俺に命を預けてくれて、
俺を必要としてくれて、
俺を仲間と認めてくれてる。
それが今は良くわかった。
それにしても、あの真っ白な世界とあの女は誰だったんだろう。
女神を思わせるあの姿が脳裏からずっと消えなかった。


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文月 礼楽

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